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〈1-4〉Die Ware ist zunächst ein äußerer Gegenstand, …

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〈1-4〉

Die Ware ist zunächst ein äußerer Gegenstand, ein Ding, das durch seine Eigenschaften menschliche -Bedürfnisse irgendeiner Art befriedigt. Die Natur dieser Bedürfnisse, ob sie z.B. dem Magen oder der Phantasie entspringen, ändert nichts an der Sache (2). Es handelt sich hier auch nicht darum, wie die Sache das menschliche Bedürfnis befriedigt, ob unmittelbar als Lebensmittel, d.h. als Gegenstand des Genusses, oder auf einem Umweg, als Produktionsmittel.
(2) Verlangen schließt Bedürfnis ein; es ist der Appetit des Geistes, und so natürlich wie Hunger für den Körper … die meisten (Dinge) haben ihren Wert daher, daß sie Bedürfnisse des Geistes befriedigen.” (Nicholas Barbo, “A Discourse on coining the new money lighter. In answer to Mr. Locke’s Considerations etc.”, London 1696, p. 2, 3.)

商品は、さしあたり外界の一対象(Gegenstand)であり、その性質(複数)によって人間の何らかの欲望を満たす物体(Ding)である。その欲望の本性(Natur)、つまりそれが胃袋から生じるものか、あるいは空想から生じるかは、ここでの分析には何ら影響するものではない(二)。また、その物体がどのようにして人類の欲望を満たすものであるか、つまり直接的に生活の手段(Mittel)、つまり享楽の対象としてなのか、もしくは間接的に生産の手段(Mittel)としてなのかの区別も、この分析には何ら影響しない。
*(二)『願望は欲望を含む。それは心の食欲であって、身体に於ける飢えのように自然的のものである。・・・・大多数は心の欲望を充たすことによって価値を受けるのである』ニコラス・バーボン著『新貨軽鋳論、ロック氏の貨幣価値引上論考に答う』ロンドン、一六九六年刊、第二及び三頁)。 

ここは語り始めると一生戻ってこれないのでほどほどにします。

みんな大好き
「商品は、さしあたり(zunächst)外界の一対象(Gegenstand)である。」

どうして
「さしあたり」なんだろうか
「商品は、さしあたり外界の一対象(Gegenstand)であり、」

大月書店のは、「まず第一に」ですね

at first
外界の一対象、ein äußerer Gegenstand であると。
「外界の」
external、outer
つまりこの時点で内と外を分ける境界線のようなものが含意されています。
https://note.com/nkms/n/na89ac0e3268a#8e92ddf5-790b-424a-bd5e-df4b435d99a7

点線で表現されてましたね

あとは、Gegenstand(対象)という言葉が出てくることから、カントやフィヒテやヘルダーやヘーゲルとかがやっていた話であることが感じられます。
続く「一つの物体(ein Ding)」で、もはや明らか。

認識論でしたっけ

彼らがやっていた哲学全般のうちの認識に関わる話ぽいなということがわかります。
この世界には意識やモノ(諸物)という要素があって、それらの関係を扱っていますよということです。
意識を担うものが「人」ですね。

なるほど

「その性質(複数)によって人間の何らかの欲望を満たす物体(Ding)である。」
なので、単に「商品」の話ではなく、諸人間と諸商品の関係の話であることが宣言されていることになります。
あとは、あえて「手段(Mittel)」と表記しましたが、「手段」も重要な基本語です。
「手段は推論の中間項である」

読み方はミッテルですか?

ミッテルで大丈夫

中間項というのはヘーゲルでしたか
媒介するもの?

意識とモノの関係において、モノが意識の欲望を満たすための「中間項」になるのがミッテルですね。

生活の手段(Mittel)生産の手段(Mittel)
便利過ぎる(笑)
こうするとイメージしやすいですね。

このイラストの初出はこちらワンね

これほんとおもしろい

「何を」イメージしやすいのですか?

ミッテルが中間項として人とモノを媒介しているイメージです

これはどうでしょう

これは、モノが中間項として人と手段を媒介してる?

こんな感じかしら

カント認識論の図

カントの認識論を図式化するとこう。

自己と対象との間に明確な境界があります

ヘーゲルは「そういうのやめよう」と訴えたとも言えます。
資本論もそのような、ヘーゲル的な立場に立っています。

以前に「観測問題」と一緒とおっしゃっていたのと関連があります?

そう言うこともできると思います。

ヘーゲルの認識論だと3つの要素が三つ巴状態で相互に関わりあっている感じがします。自己と対象も、何かを中間項にして関係しあっている。

まだ先行研究で消耗してるの? マルクス『資本論』覚書(4)

引用しちゃう

ここで「商品 Waare 」は〈手段 Mittel 〉として取り扱われている.「人間の何らかの種類の欲望を満足させる」ことがその目的である.この目的すなわち「人間的需要 menschliche Bedürfniss 」を満たす物は,肉体としての人間の外にある.
 商品という〈手段〉は、「直接的に unmittelbar 」は「生活手段 Lebensmittel 」として,間接的には「生産手段 Productionsmittel 」として用いられることが想定されている.ただし,ここでは直接的であるか間接的であるかはどうでもよいものとされている.

ここでバーボンの注が生きてきます。

(二)『願望は欲望を含む。それは心の食欲であって、身体に於ける飢えのように自然的のものである。・・・・大多数は心の欲望を充たすことによって価値を受けるのである』ニコラス・バーボン著『新貨軽鋳論、ロック氏の貨幣価値引上論考に答う』ロンドン、一六九六年刊、第二及び三頁)。 

ニコラス・バーボンの著作については、資本論を読むにあたってとても重要と思うので note の方でもこれから取り上げていきますね。

バーボンは心の欲望と身体の欲望を分類したけれど、資本論の分析においてはそれは「どうでもいい」。
バーボンの考えは、使用価値が交換価値の「原因」であるという感じですが、マルクスはむしろ弁証法的に、使用価値と交換価値の「疎遠さ」「関係のなさ」の方を強調していくことになります。

ここからしばらくマルクスは、バーボンの論理に対してバトルを挑んでいく感じになります。

次回の注3もそうワンか?

〈1-5〉
Jedes nützliche Ding, wie Eisen, Papier usw., ist unter doppeltem Gesichtspunkt zu betrachten, nach Qualität und Quantität. Jedes solches Ding ist ein Ganzes vieler Eigenschaften und kann daher nach verschiedenen Seiten nützlich sein. Diese verschiedenen Seiten und daher die mannigfachen[49] Gebrauchsweisen der Dinge zu entdecken ist geschichtliche Tat. (3) So die Findung gesellschaftlicher Maße für die Quantität der nützlichen Dinge. Die Verschiedenheit der Warenmaße entspringt teils aus der verschiedenen Natur der zu messenden Gegenstände, teils aus Konvention.

(3) “Dinge haben einen intrinsick vertue” (dies bei Barbon die spezifische Bezeichnung für Gebrauchswert), “der überall gleich ist, so wie der des Magnets, Eisen anzuziehen” (l.c.p. 6). Die Eigenschaft des Magnets, Eisen anzuziehn, wurde erst nützlich, sobald man vermittelst derselben die magnetische Polarität entdeckt hatte.

鉄や紙など、それぞれ有用な物体は、二重の(doppelt)観点、つまり質と量との両面から観察することができる。こうした有用な物体はどれも、多くの性質がまとまった一全体(ein Ganze)であり、だからさまざまな方面に有用ということになる。これら物体のさまざまな方面の諸用途は、人類がその都度発見してきたものである(三)。有用物体の分量の社会的な公認尺度(Maß)もまたその都度決められてきたものである。商品の量を測る尺度にはさまざまなものがあるが、それは秤量される対象の本性(Natur)が多種多様であるためであり、あるいは慣習でそうなった部分もある。

*(三)諸物は内的な効力(intrinsick vertue)を持っている。すなわち、どこにあっても同じ効力を持っている。たとえば磁石は鉄を引き付けるというように。」(同前、第六頁)
磁石が鉄を引きつけるという性質は、磁石によって磁極が発見されると同時に有用になったのである。

お楽しみにー


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