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モズラー(MMT発明者)による資本論のような物価水準・インフレ論を精読する⑤MMTのミクロ的基礎(その2)

A Framework for the Analysis of the Price Level and Inflation という文章を頭から精読するシリーズの五回目。

きっかけ
Introduction 
I. The MMT Money Story 
II. The MMT Micro Foundation- The Currency as a Public Monopoly (ここ)
解説編: ”indifference” って何だろう 
が挟まる)
III. The Source of the Price Level 
IV. Agents of the State 
V. The Determination of the Price Level 
VI. Inflation Dynamics 
VII. Interest Rates and Wages 
VIII. The Hierarchy of Demand 
IX. Conclusion 

シリーズ② Introductionシリーズ③で I. The MMT Money Story を読み、シリーズ④では
II. The MMT Micro Foundation- The Currency as a Public Monopoly
のところのタイトルの「モノポリー」を説明し、それからすこし先走って独特な「price level」観というかそのイメージを提示しました。

これワンね

あらゆる商品が含まれる 「price level」 のイメージ

このイメージを念頭に本文を読んでいきましょう。

The MMT money story begins with the imposition of coercive tax liabilities to create a notional demand for that currency. That notional demand is the sum of units of the currency needed to pay taxes and fund residual savings desires, as evidenced by what is offered for sale by agents seeking that currency in exchange for their goods and services. With today’s state currencies, for example, the non-government sectors offer goods and services for sale until they have satisfied their need to pay taxes and their desires to net save.

機械翻訳は気に入らないので、こうします。

「MMTの貨幣の物語は、人びとに強制的な税負担を課すことで、その通貨に対する需要が生み出されることがスタートだ。この通貨の需要とは、納税と貯蓄欲のために必要な通貨単位の合計のことであり、人びとがその通貨を求めて商品やサービスを売りに出すことによって現実のものとなる。現代の国家通貨に即して描写すれば『非政府部門は納税と純貯蓄という欲求を満たすまで、財やサービスを売りに出す』ということになる。」

(a notional demand の notional  ですが、税が決まっただけではまだ実現していない概念的なものだという意味でその時点ではまだ notional であり、いろいろなものが売りに出て買われることによって初めて現実のものになる、evidenced by という感じ)

The state monetary system is a public monopoly with the state the sole supplier of that which it requires for the payment of taxes. The state therefore necessarily dictates terms of exchange when spending to purchase goods and services, with the quantity that it can buy inversely related to the prices it pays. For example, if the tax liabilities are $100 and savings desires are $20, and the state offers to pay $1 per day for labor, the state will be able to obtain 120 days of labor. If instead the state pays $2 per day for labor, it will obtain only 60 days of labor. In both examples the non-government sectors are selling labor at the state’s price to the point where agents of those sectors have sufficient funds to comply with their tax liabilities and to net save as desired. 

まずここまで、こうします。
The state monetary system is a public monopoly with the state the sole supplier of that which it requires for the payment of taxes. The state therefore necessarily dictates terms of exchange when spending to purchase goods and services, with the quantity that it can buy inversely related to the prices it pays.

「国家通貨制度とは、国家が税の支払いに必要なものを独占的に供給するものである。したがって、国家が財やサービスを購入するための支出をする際に、国家自身が交換条件を指示するものであり、そうなるほかはない。そして購入できる数量は、支払う価格に反比例する。」

交換条件っていうのは単位と数字のことワンね。
兵士の給料は「1000ドル」にせよ、「1億ドル」にせよ、「100にゃん」にせよ、政府がそれを決める以外にない。

ん?反比例?
政府が自由に決められるならそれはおかしくね?

うん、その説明が次に書いてあるわけ。
先に行っちゃうと「財政支出」は「税」と「貯蓄欲」に支配されるというか、その三つをまとめて政府が決めるじゃん、という感じ。

なるほどワン

次が具体例。

For example, if the tax liabilities are $100 and savings desires are $20, and the state offers to pay $1 per day for labor, the state will be able to obtain 120 days of labor. If instead the state pays $2 per day for labor, it will obtain only 60 days of labor. In both examples the non-government sectors are selling labor at the state’s price to the point where agents of those sectors have sufficient funds to comply with their tax liabilities and to net save as desired. 


「例えば『納税額が100ドル、貯蓄希望額が20ドルで、国が労働力として1日1ドルを支払う』とすると国は120日分の労働力を手に入れることができる。一方、1日2ドルの労働力を提供した場合、60日分の労働力しか得られない。どちらの例でも、非政府部門は国家が決めた価格で労働力を売っており、部門の誰かが納税義務を果たし、部門は希望する純貯蓄を満たす資金を持っていることになる。」

えっと、納税額+純貯蓄額が合わせて120ドルっていうのが固定という前提で考えると、財政支出の単価は量に反比例するワンね。
単価×量=120ドルなのだから。

ここで労働力と貨幣の実質価値が結びついてくるわけですね。

二つ指摘しておこうかな。
まず、税も貯蓄欲も政府が決めるということ。

ええ!?
税はそうだけど貯蓄欲も???

税はわかるんですけど

貯蓄は…?

そうだよー
ここがとても重要なところで

かるちゃんは学資保険とかで貯蓄していますか?

学資保険は最近のは生命保険込で元本割れするので普通に貯金してます

その貯蓄欲って政府に由来していませんかね?

3人とも大学に行くくらいの学費を貯めとかないといけないので
学費がどんどん値上がりしてるのは政府のせいですよね。

良し悪しは別として、学費の存在が政府のせいですよ。住居費もまた。

今住んでるところが手狭になってて家を買いたいというプレッシャーが貯蓄欲をかきたててます

でも5人が暮らせる広さの公営住宅でも借りられれば、別に買わなくてもいいのになと思ったり

というわけで、貯蓄欲は政治の函数になっている

函数って関数のことなんですね

function

関数は、函という字が常用漢字から外れたとかで無理やり字が変わったんじゃなかったかしら

そうだったのですね!

とんでもないことだと思います!

どうして?

こんな経緯があったとは。西洋数学が中国語訳され、日本に入ってきてたんですね。

しかも良い訳だと思うんですよねー
数学者で函数の方を使い続ける人はけっこういます

全然知らなかったです!こんな経緯があったとは。西洋数学が中国語訳され、日本に入ってきてたんですね。

ということで、通貨貯蓄欲は政治に含まれるんですね。
これはあらゆる通貨に言えます。将来の税や財政支出がどうなると予想されるかに支配される。

じゃあ給付しても貯蓄に回るってよく言われますが、あれはなんか自作自演というか、そういう状況を政府自体が作ってるのに、あえてそう言ってるってことですよね。

あれは酷い話で、ローンの返済に「回った」ら貯蓄にカウントされるわけだけど、それがまるで良くないことであるかのように表現されるわけです

ひどい!

そもそもローンを背負わせとるのは誰やねん!

反対に、産油国とかで教育も老後もみんな安心だろうと考えるケースもあるわけですね。

老後もちゃんと年金もらえるし、学費は無料、医療費も上限あり、公営住宅が保証されてたら貯蓄ほとんどする必要もないし民間の保険もいらない気がします。

公的な保険も含めて保険が要りません。

そういえば2019年に麻生副総理兼金融担当大臣が、老後2000万円必要だとする審議会の報告書を受け取らない、というニュースがありました。

しかし受け取らないからと言って、何もしないならば将来予想が改善するわけではない。
むしろあの報道は、その予想を人々に定着させる機能を果たしましたよね。

そうでした。

あれはMMT思考からすると興味深くて、もし貯蓄が2000万円「必要」ならばそうなるような、それを実現する財政支出と税の設定を決めなくてはならないんですよ。そうでなければ死んでねって意味になる。。。

死んでね」宣言だった!

だって増税してるし、賃金下がってるし!

だから「必要」という理屈を受けいるわけにはいかなかったわけです。算数的に。

あれは意図としては株式投資や投資信託などの金融商品を国民に売りたいというのがあったんですよね。そうやって運用して増やせよお前らで、自己責任で、っていう。

ですねえ。
今年から高校の家庭科で「金融教育」が始まるそうですけど「資産形成」「資産運用」を「教える」らしく

私、本多静六の「わたしの財産告白」って本を読んだんですけど、あれ読んで思ったんです。

あの人は生活を切り詰めて株を買って、最後は明治神宮の森かなにか作って立派だったと思うんですけど、家族が可哀想になって。

私が切り詰めた生活を強いられてた家族だったらめちゃくちゃ恨みます(笑)

こういう話って、時代や場所によって人々の生活の全体の中で、カネの部分とカネ以外の部分の比率がどうなっているかを合わせて考えないと教訓にならないと思うんですよ。

たしかに

わたくし今年になってようやくエヴァレットの「ピダハン/言語本能を超える文化と世界観」という本を読んでいろいろな意味で衝撃だったのだけど貨幣や富の概念がない人たちの表情の幸福そうなことが、ねえ
今の彼らのことはわかりませんけれど。

貨幣や富の概念がなければ破産もしないし、貯蓄もしなくていいし、投資に失敗することもないですね。

それに
税金のために働くってこともない、ってことですか

言語に比較級がない。三より大きい数字がない!
なるほどわたしたちは数字に支配されている…

三より大きい数字がないんですね(゚Д゚;)

じゃあ今年は何歳とかも気にしてない・・?

著者の息子さんは、著者と一緒にピダハンとの共同生活を体験しているんわけですが、人類学者になってこの本を書いたんです。

おもしろそうです

読むのが楽しみですー

数を発見し、将来に備えるということを知ってしまった人たちが、いかにそれを制御しうるのかというのが考えるべきところだと思うんですよね。
マルクスとMMT(モズラー)はそこが似ていると思います。

トルストイのイワンの馬鹿というお話を思い出しました。

あのお話では貨幣は悪魔が持ってくるんでした。それで国を滅ぼして、イワンの国も滅ぼそうとするんですが、イワンはバカだから貨幣をありがたがらず、悪魔の思惑通りにはいかないというお話でした。

自分はやっぱファウストなんですねえ
短く説明できないけれど

ファウストもちゃんと読んだことがないから、読んどかないと。

JGPというのは、人が他者の為に働くその瞬間を捉えましょうって「考え」なんだと思うんですねえ

と言いますと?

賃労働における疎外を消し去りうるというか。 

雇用される側にとってたとえばパワハラ環境は不完全雇用以外の何物でもないわけですが、たとえそれより待遇が低くても生活が賄えて社会のための仕事ができる場所があれば不完全さは減じられるわけです

そうですね。

もちろん、悪いJGPというものが想定できるので、JGPがあれば不完全雇用ではなくなるとは言いませんが、完全雇用の時にはJGPという制度が存在しているはずなんですよね。
これは算数の問題として。

ELR政策という言葉は聞いたことありますか?
ミンスキーのEmployer of Last Resort 

横歩さんが以前呟いていたような・・・

これはレイの入門の索引ですが

本分を見てもほとんどジョブギャランティの別名のようなものとして併記されている感じですね

ほんとですね

この言葉の由来なんですが、中央銀行のことを Lender of Last Resort (最後の貸し手)と言って、銀行の資金繰りがヤバくなって他行からも借りられないという状況の時に中央銀行がその役割を果たすという意味の言葉。
これと同様に考えて、Employer of Last Resortと言ったわけですが、労働者にとっての最後の雇い手があればいいじゃんってことになるわけです。

ラストリゾートって最後の楽園?なんか楽しそうなイメージですね。
なにかあっても最後の最後で助けてくれるって感じですかね。

語源的には「何度も行くところ」なんですけど、ラストだからそういうことでしょうね。

金融機関や大企業にはそれがある(バーナンキのQEや日銀の株買い)のに対し労働者にはない!というひどい不平等があるわけです。

危機の影響を被るのは常に労働者、生活者ということになってる。

「何度も行くところ」という意味だったのですね!
駆け込み寺みたい!

それが近いと思います

too big to failでしたっけ。大きな金融機関は破綻しそうになっても助けてもらえる。

そうですね。反対に、労働者は助けないというわけ。

さて本文に戻りましょう。

For a given fixed nominal tax liability and savings desire, when paying higher prices the state both redefines the value of the currency downward and purchases less in real terms. Therefore, the state can, as a matter of arithmetic, when paying higher prices only buy more real goods and services by increasing tax liabilities or through increased savings desires. That is, to return to the prior example where tax liabilities were $100, savings desires $20, and the labor wage was increased from $1 per day to $2 per day, a tax increase to $200 or an increase of savings desires to $140 would result in the state obtaining the same 120 days of labor as it received with the $1 wage.

For a given fixed nominal tax liability and savings desire, when paying higher prices the state both redefines the value of the currency downward and purchases less in real terms. Therefore, the state can, as a matter of arithmetic, when paying higher prices only buy more real goods and services by increasing tax liabilities or through increased savings desires.

「名目納税額と貯蓄額が一定とすると、国は支払う価格を高くすると通貨価値が下方修正されると同時に実質的な国の購入が減るということになる。だから算数の帰結として、借りに国家が高い価格で多くの材とサービスとを購入するならば、それは納税額を増やしているか、貯蓄欲を高めているということになる。」

ここはこんがらがるけど、よーく考えればわかるワンね

結果としての財政支出額は、納税額と純貯蓄額の合計に必ず等しい!
えっと、
財政支出額 ≡ 納税額 + 純貯蓄額

それは恒等式だから、左辺が増えているならば、右辺の項の少なくとも一方は必ず増えているわけですね。

That is, to return to the prior example where tax liabilities were $100, savings desires $20, and the labor wage was increased from $1 per day to $2 per day, a tax increase to $200 or an increase of savings desires to $140 would result in the state obtaining the same 120 days of labor as it received with the $1 wage.
つまり、先の例に戻るとなら、納税額が100ドル、貯蓄欲求が20ドル、労働賃金が1日1ドルから2ドルに引き上げられた場合、200ドルに増税されるか、140ドルに貯蓄欲求が増加すると、国家は1ドルの賃金で得たのと同じ120日の労働力を得ることになる。

これ計算が合わない気がして。
200ドルの増税のところ、220ドルの増税じゃないのかなぁと。

ほんとだ!

ですよね!

そういえばマルクスも簡単な計算がダメだったとか

天才あるあるですね

数学者にも計算が苦手だった人がいるわけで、理屈が伝わればいいやと思っている節があるというか

これは2倍してるだけなので貯蓄欲求が40ドルの間違いじゃないですか?

たしかに増税200ドル+貯蓄欲求40ドルなら計算合います

多分1を誤タイプしたんじゃないかと
40と書くところを140と余計な1がついちゃった

貯蓄欲求固定の場合と、税固定の場合を書きたかったのだと想像

スッキリしました:トランプのハート::トランプのハート:

sorata さんの推理はこうですね

どっちを考えても面白いですね

まあ、ここは a tax increase or an increase of savings desires だから、変えない方は固定を意図していたと考えるのが妥当だとは思います。
現実的には両方を変える組み合わせがたくさんあります。

「物価が高いときには」は明らかに機械翻訳のミス(笑)で、「高い給料を払うときには」ですね♡

ここでちょっとまたあらためて考えてほしいのですが「貯蓄欲求を変える」って政府はどうすれば良いのでしたっけ。
税の設定と労働の単価を変える以外で。

極端な例だと、年金や社会保険の支給廃止

それは将来の財政支出計画を変える、という感じですね

自分が思ったのは、住居や教育にカネがかからないようにする(逆にもっと金がかかるようにする) 

家族で住める公営住宅があれば家を買うために貯蓄する必要なくなるし、教育費が無償なら今こんなに貯蓄しないで済みますね

教育費がどんどん高くなっているのを見ると、貯蓄せずにはいられない…

老後の不安もあるから年金なかったらもっと貯蓄しないとだし、社保がないと病気したときどうしようってなるから、また貯蓄…

医療保険、社会保険、社会保険という税は、そもそも何かあった時の不安がなければ要らないわけですよね

貯蓄は不安に由来するものと、より大きな支出をするための積み立てに由来するものがありますね

たしかに

旅行に行きたいとか車がほしいとか

ただそれもよく考えてみると政府の設定が大きいはずですよ

うーん

いつかまた考えてみましょう

本文に戻って次のパラグラフ

In the US, tax liabilities tend to increase as the US government pays higher prices due to federal, state, and local transactions taxes that are based on prices. These include income taxes where higher nominal incomes result in higher tax liabilities, and sales taxes where higher prices also result in higher tax liabilities.

「米国では、連邦税、州税、地方税などの取引税が物の価格を基準にしているため、政府の支払い価格が高くなると税額が増える傾向にある。名目所得が増えれば所得税が、物の価格が上がれば消費税が、それぞれ税債務を増加させる。」

恒等式
財政支出額 ≡ 納税額 + 純貯蓄額

これを念頭に置くとなんとなくわかるワンね。ここは右辺の第一の項、納税額の項が増えるという話ワンね。

Additionally, savings desires are based on real rather than nominal considerations. Retirement savings desires, for example, are based on the presumed cost of living during retirement years. As prices rise, those nominal savings desires rise accordingly. Business liquidity needs and inventory and receivables financing needs also rise as prices rise.

「また、貯蓄欲は名目ではなく実質に基づいている。例えば退職後の貯蓄欲は、退職後の生活費を想定したものである。物の価格が上昇すれば、名目的な貯蓄欲もそれに応じて上昇する。事業の流動性ニーズ、在庫や債権の資金ニーズも物価の上昇に伴って上昇する。」

ここは、右辺の第二の項、納税額の項が増える っていう話ワンね。

うんうん、あと、ここで言っている「物の価格」はCPIのような指数ではなくて、こうした全商品で考えているわけ。

「事業の流動性ニーズ、在庫や債権の資金ニーズを満たす」ものとは、たとえば借入という「商品」だったりCPIには乗らない卸売物価に入る商品だったり。

借入が「商品」だったことを思い出してください。
保険やデリバティブ商品によるリスクヘッジもこうしたニーズを満たすものってことになる。

そしてここは、右辺の第二の項、純貯蓄額の項が増える ってはないワンね。

うんそう。
この恒等式に準じて話が進んでいるわけ。

財政支出額 ≡ 納税額 + 純貯蓄額

そしてこの節の最終パラフラフだけど、この右辺の二つの項がどちらも増えるような経済、左辺はどうならなければいけないだろうか?という話なんです。

Therefore, in general, an economy experiencing a continuous increase in prices requires a continuous nominal increase in what is casually called ‘the money supply’ that constitutes the economy’s net savings of financial assets. Without this increase, real savings desires cannot be achieved, as then evidenced by unemployment and excess capacity in general. This, in fact, is my narrative for the 1979 recession. Fiscal balance tightened as tax liabilities increased faster than government spending, and the real public debt growth further decelerated due to the increases in the price level, with the combination driving the economy into a severe recession. 

一気に日本語訳します。
これ、機械翻訳ではまず意味が取れないと思いますし、以下のわたくしの翻訳でも説明がなければちょっとついていけない人が多いと思います。

Therefore, in general, an economy experiencing a continuous increase in prices requires a continuous nominal increase in what is casually called ‘the money supply’ that constitutes the economy’s net savings of financial assets.
「したがって、一般に、物の価格が上昇する経済では、金融資産の純貯蓄を構成する『貨幣供給』という名目量の増加を継続的に行うことが必須となる。」

Without this increase, real savings desires cannot be achieved, as then evidenced by unemployment and excess capacity in general.
「そうでなければ貯蓄欲を満たすことができず、それは一般に失業と過剰なキャパシティとして現れる。」

This, in fact, is my narrative for the 1979 recession. Fiscal balance tightened as tax liabilities increased faster than government spending, and the real public debt growth further decelerated due to the increases in the price level, with the combination driving the economy into a severe recession. 
「私に言わせればこれが1979年の不況の物語だ。政府支出を増やすよりも早く税債務を増やすという形で財政バランスが引き締められた。同時に物価水準の上昇によって、実質でみた公共の債務の増加はいっそう減速しており、この組み合わせが経済を深刻な不況に導いたのだ。」

これを理解するためのヒントはぜんぶここまでの文章で提示されているんですよね。

先入観なしに解釈すれば、ぜんぶのことばを理解できるようになるはず。

ここは次回に回して、それまで各自ゆっくりじっくりと考えてみましょう。
これはことによるとMMTの核心の部分かもしれません。


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